亀岡名物の柚子トマトなどトマトのお漬物が生まれたのは20年前以前の職人時代にさかのぼります。200年を超えた、京漬物の老舗で修行してた頃のお話です。
その頃私は漬物店なのに、おばんざい工場があり、料理の勉強をしていました。漬物屋さんの作るおばんざいを製造していたわけです。料理なので、たまたま、『トマト』があったからこれがとまとの漬物の始まりでした。
調味液を冷やす時間帯があり、おばんざいの弁当を作っていた時にトマトを湯剥きした丸ごととまとがあったんですが確かに30個湯剥きしたハズなのに一個足りないんです。
次の日に気づく事になりますが 誰か食べたんちゃうかと疑いつつ、足らない分を一つ湯剥きしその日の作業は終わったわけです。
翌日、朝の弱い僕は頭が回っていなかったこともあり普通に作業に入りお昼前に、昨日の漬物調味液に漬けた白菜を思い出し冷蔵庫に取りに行き味見をしようと思ったわけですが、ななななんとトマトが一緒に入って居るではありませんか???
昨日、他の職人さんに「とまと食べただろ!」と疑いの目線を送っていたので、この事はばれない様に事をすまそうと冷蔵庫の中でごそごそしていました。
どこに隠すか考えがまとまらず、実は私トマトが苦手なガキでして、口に入れるのはチョッと!!!
しかし、捨てるはもったいない????
お昼なのでお腹も減ってたわけで、食べて抹消するしかない決心をした事が”とまとの漬物”のはじまりはじまりてなわけでございます。
とまとが苦手な僕ははじめて トマトがこんなに美味しいものなのかと初めてしった訳です!!
青臭みもなく、酸っぱいわけでもなく、昆布出汁ベースに漬かったとまとでした。
しかし、ちゃんと、トマトの旨みも残り素材を生かし、野菜を美味しくする漬物液もその場で完成をしたのでありました。
昔、女将さんには、言われた事が頭から離れない事をやっているんですが、『私はとまとの漬物は口には合わへんし、白菜のぬか漬や胡瓜のぬか漬の方が好きや、でも、お客様の喜んでもらえるんやったらなんでも作ったらええ!!!』
この事が僕の中にずっと生きています。
お客様に喜ばれる事をする。
お客様に喜ばれるなら何年かかってもあきらめず良い商品に仕上げる。
この事が支えとなり、初代 亀蔵のおもてなしとなっています。
こんな思いで亀岡名物のとまとの漬物は、初代・亀蔵で2009年5月、ある方をきっかけに、 ”京レモンとまと・京丸ごととまと・プチっ子とまと・柚子とまと・ 青じそとまと・さくらとまと・かぼとまと”と進化し続けています。ご自宅やお土産としてご賞味ください。